本日は 以前から申し込んでおりました、
広島国際大学 現代社会学部主催の 『どう戦う? 新球場とカープ』
というシンポジウムに参加してまいりました。

こういう討論会は 初めての参加だったのですが、とりあえず有意義であったと思います。
この会への参加の動機ですが、
広島市都市活性化局 新球場建設部 工務担当課長 佐名田敬荘氏 が
パネラーとして参加されたからです。
是非とも 現場の生の声を聞いてみたかったのが 第一の動機ですね。
この会は
まず 元カープの野村謙二郎さんの基調講演から。
30分ほどでしたが、新球場への思い、カープへの思いなどを話されました。
そして、残りの時間は 司会者とパネラーのディスカッション。そして質問タイム。
という流れでした。
約2時間という長い内容ですので ここには全てを書ききれません。
というわけで、佐名田課長さんの話で印象に残ったことを書いてみたいと思います。
最初に、ゲストの野村謙二郎氏との逸話。
野村氏も球場建設について幾つかの要望を市側に出していた と。
一つは、ブルペンが観客席から見えるようにして欲しい。
二つは、育児室のような部屋を設けて欲しい。
三つは、選手として照明がまぶしくないように、プレーに影響が出にくくして欲しい。
という3点。
ブルペンにつては、予算の関係等でスタンド下にせざるを得なかった とのこと。
育児室に関しては、親子室という部屋をコンコースレベルに2部屋設けてある。
照明に関しては、他所の球場では二階席の屋根に横並びに照明を取り付けているが、
新球場は屋根の高さが低いことで それが難しい。コスト的にはかかるけれども6基の照明塔を立てることにした。しかも従来の横長ではなく縦長にしたのも選手に配慮してとのこと。
まず、課長さんが着任されたのは、
第一次の建設・設計コンペがボツになった後、第二次の設計コンペを開かなければならないという段取りの真っ最中の平成18年4月。
完成時期は、既に平成21年3月と決定している中、どのように段取りをするかという問題に直面されたそうです。
そのコンペ後、設計が上がってきたら 今度は90億という限られた予算の中、
コスト的にかなり厳しいものがあったそうです。
で、その時期は 毎日、設計図を見ながら球場の一階から七階までを頭に浮かべながら
それを三周ぐるぐると回るぐらい考えたとのこと。
いかにして、予算内におさめるか、どこの部分が削れるか。 と。
そんな話の中で、
大リーグの球場をかなり参考にした というのはよく知られていますが、
大リーグは 合理的に出来ている件に注目。
椅子や部屋など 機能面は最大限生かしながら削れるところは削る。
いい意味で手を抜くところは抜いている ケチるとことはケチる と。
例えば、新球場でコンコース天井部分などに給水排水の配管や電気配線のケーブルラックなどが丸見えになっているのは、まさにそれで、日本では天井を張り上げて中が見えないようにするが、
大リーグでは丸見えのままだ と。
大リーグの合理性を充分研究して そういう形にした とのこと。
また、これからのことですが、
通常、建物が完成してからは使用する準備に3ヶ月ぐらいをみているが、
今回の場合は3月の完成してから1ヶ月もないので、これまで以上に大変な作業が待っている。
特に、カープ球団は準備で大変であろう と言っておられました。
そのほか、球場については
建物の耐震性能について 通常の建物の1.25倍の強度にしてあるので
簡単には壊れない そうですよw
また、観客のメインの入り口については
スロープからのメインゲート、球場正面のエントランス、
そして、レフトスタンド後方に外野のエントランスを設けるとのこと。
この外野の部分については、初めて聞いた気がします。
こんな 感じで 課長さんの話をしみじみと聞きました。
その他、特に印象に残ったことは、
野村氏が 観客から見えるブルペンに相当拘っていたのが印象的でした。
これは、解説者の立場として投手交代の時間が掛かりすぎるのが非常に気になるようで、
誰が出てくるかわからないし、イライラ感がつのる、観客の不満があるのでは? と。
それで、見えるブルペンに拘ったそうです。
あと、駅からの動線について、
駅からワクワクするような雰囲気を作って欲しい と。
選手の写真入のバナーなどを設置して、盛り上げて欲しい。
選手は自分の宣伝にのなるのだから、
僕だったら、自分で金出してでも 自分の写真を飾るようにするよ! と。
こんな感じのシンポジウムでした。
球場の説明については、既に知られていることの説明が多かったのですが、
課長さんの直接の話を聞けたことは非常に有意義でした。
そして、野村氏の球場とカープについて熱い思いも非常に伝わりました。
また 何か思うことがあれば書いてみたいと思います。